「夏のラウンドは、後半になると頭がぼーっとしてスコアどころじゃない」 「同伴者が真っ赤な顔でフラフラしていて、ヒヤッとした」

そんな経験、ありませんか?

ゴルフは、炎天下で4〜5時間も過ごす、実は熱中症のリスクがとても高いスポーツです。 コースは日陰が少なく、18ホールで歩く距離は6〜8kmほど。プレーに集中していると、体の異変に気づくのも遅れがちです。

今回は理学療法士の立場から、熱中症が起こる仕組みと「見逃してはいけない危険なサイン」、そして夏のラウンドを元気に乗り切るための対策を、やさしくご紹介します。

この記事のポイント

✅ 熱中症は「体にこもった熱を逃がせなくなる」ことで起こります

✅ 「まっすぐ歩けない」「受け答えがおかしい」は、ためらわず救急要請のサインです

✅ 対策のカギは、前日からの準備と「のどが渇く前」のこまめな水分・塩分補給です

なぜ熱中症になるの?〜体の中で起きていること〜

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若い頃から夏ゴルフは平気だったので、自分は大丈夫だと思っていました……

Torapon Torapon

その油断が一番こわいんです。体の中では、気づかないうちに脱水が進んでいることがあります。まずは仕組みから見ていきましょう。

私たちの体は、運動すると熱を生み出します。 その熱を逃がす主な方法が、汗です。汗が肌の上で蒸発するときに、体の熱を奪ってくれます。

ところが夏のゴルフ場では、この仕組みがうまく働かなくなることがあります。

  1. 大量の汗で、体の水分と塩分がどんどん減っていく
  2. 水分が足りなくなると、体は汗を出しにくくなる
  3. 湿度が高い日は、汗をかいても蒸発しにくい
  4. 熱の逃げ道がなくなり、体の中に熱がこもっていく

こうして体温の調節が追いつかなくなった状態が、熱中症です。

汗で熱を逃がす仕組みと、脱水で熱がこもっていく流れを示した図

さらにゴルフには、特有の落とし穴があります。

  • プレーへの集中 … のどの渇きや体のだるさに気づきにくい
  • 昼食時のビール … アルコールは尿の量を増やし、かえって脱水を進めます
  • 我慢のしやすさ … 同伴者に気をつかって「休みたい」と言い出しにくい

「まだ大丈夫」と感じていても、体の中では脱水が進んでいることがある。これが熱中症のこわいところです。

見逃してはいけない危険なサイン

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どこからが「休む」で、どこからが「救急車」なんでしょうか?

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そこが一番大事なところです。まっすぐ歩けない・受け答えがおかしいが出たら、ためらわず119番。段階ごとに整理しますね。

熱中症のサインは、軽いものから順に進んでいきます。

軽いサイン(この段階で必ず休む)

  • めまい、立ちくらみ
  • 足がつる(こむら返り)
  • 汗が異常に多い、顔のほてり

要注意のサイン(プレーを中止して涼しい場所へ)

  • 頭痛、吐き気
  • 体のだるさ、力が入らない

危険なサイン(ためらわず119番)

  • まっすぐ歩けない、フラフラする
  • 呼びかけへの返事がおかしい、ぼんやりしている
  • 自分で水が飲めない
  • 汗が出なくなり、肌が熱く乾いている

熱中症の危険なサイン(まっすぐ歩けない・受け答えがおかしい・水が飲めない・汗が止まる)をまとめた図

大切なのは、危険なサインが出たら「様子を見ない」ことです。 意識や歩き方がおかしいときは、体を冷やしながら、すぐに救急車を呼んでください。

ラウンド前日からの準備

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対策って、当日の朝から始めればいいんですよね?

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実は前日の夜から始まっているんです。睡眠・お酒・朝ごはん——この3つで、当日の体はずいぶん変わりますよ。

夏ゴルフの勝負は、実は前日から始まっています。

  1. しっかり眠る … 睡眠不足の体は、体温調節がにぶくなります
  2. お酒は控えめに … 前夜の深酒は、朝の時点で脱水ぎみに
  3. 朝食を抜かない … 食事は水分と塩分の大切な補給源です
  4. 暑さ指数(WBGT)を確認 … 環境省の「熱中症予防情報サイト」で当日の危険度がわかります
  5. 体調が悪い日は勇気を持ってキャンセル … 発熱ぎみ、下痢、二日酔いの日は特に危険です

ラウンド中の対策

のどが渇く前に、水分と塩分を

のどが渇いたと感じたときには、すでに脱水が始まっています。 目安は「1ホールごとにひと口以上」。汗をたくさんかく日は、水だけでなく塩分も一緒にとりましょう。

大量に汗をかいたときや、めまい・足のつりなど軽いサインが出たときには、水分と塩分をバランスよく補給できる経口補水液が心強い味方です。カートに1本、キャディバッグに1本しのばせておくと安心ですよ。

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経口補水液 OS-1(オーエスワン)500ml×24本

大塚製薬の経口補水液。水分と塩分(電解質)をすばやく補給できるので、大量に汗をかく夏のラウンドのお守りに。箱で買っておけば、練習場やご家族の暑さ対策にも使えます。

首すじを冷やして、こもった熱を逃がす

太い血管が通っている首すじを冷やすと、体にこもった熱を効率よく逃がせます。 凍らせたタオルや、繰り返し使えるネッククーラーをハーフごとに交換するのがおすすめです。

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SUO アイスリング(28℃で自然に凍るネッククーラー)

首にかけるだけのリング型ネッククーラー。28℃以下で自然に凍るタイプなので、クーラーボックスや冷たい水につければラウンド中でも復活します。結露しにくく、服が濡れにくいのもうれしいポイント。

日ざしを避ける工夫

  • つばの広い帽子をかぶる(こまめに脱いで熱を逃がすのも大事)
  • 通気性のよい、汗が乾きやすいウェアを選ぶ
  • 待ち時間は木陰やカートの屋根の下へ
  • 日傘(パラソル)で自分の日陰を持ち歩く

ゴルフ用の晴雨兼用傘が1本あると、夏は日よけ、にわか雨にはそのまま雨傘として一年中活躍します。

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ダンロップ SRIXON 晴雨兼用アンブレラ(UVカット銀傘)

ゴルフブランドの全天候アンブレラ。外側の銀色コーティングが日ざしを反射して、傘の下の体感がぐっとやわらぎます。晴雨兼用なので、夏の日よけにも急な雨にも一本で対応できます。

そして何より、無理をしないこと。 「今日は9ホールでやめておく」「スループレーはやめてハーフで休憩する」という判断も、立派な暑さ対策です。

もし同伴者がおかしいと感じたら〜応急対応〜

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もし目の前で同伴者が倒れたら……ちゃんと動ける自信がありません。

Torapon Torapon

手順を知っておくだけで、いざというとき動きやすくなります。合言葉は涼しい場所へ・冷やす・飲んでもらう・迷ったら119番です。

  1. プレーを中止し、クラブハウスや木陰など涼しい場所へ移動する
  2. 服をゆるめ、横になってもらう
  3. 首すじ・わきの下・足の付け根を冷やす(太い血管を冷やすのが効果的です)
  4. 意識がはっきりしていれば、水分と塩分(経口補水液など)をとってもらう
  5. 意識がおかしい、自分で飲めない、良くならない場合は、ためらわず119番

応急対応で冷やす場所(首すじ・わきの下・足の付け根)を示した図

コースで倒れた場合は、ゴルフ場のスタッフにもすぐ連絡を。 多くのゴルフ場には救護の手順があり、救急車の誘導もスムーズになります。

おわりに

夏のゴルフは、青空の下で気持ちのいいものですが、熱中症は毎年、命に関わる事故につながっています。

前日からしっかり準備して、のどが渇く前に飲み、こまめに体を冷やす。 そして「おかしいな」と思ったら、スコアよりも体を優先して、勇気を持ってプレーを止める。

その判断ができる人こそ、ゴルフを長く楽しめる人だと思います。 しっかり備えて、夏のラウンドを元気に乗り切ってくださいね。


※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。体調に不安がある方や持病をお持ちの方は、事前に医師にご相談ください。また、熱中症が疑われる症状が出た場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。